姿勢に意識を向ける理由
- hikarilaboratory
- 2021年5月31日
- 読了時間: 4分
姿勢に意識を向けるワケ
~1日1分で体を変えよう~
先日、「話は分かるけど、結局どうしたら良いの?」
と率直なご意見をいただいた。(いつもありがとうございます)
その答えとしては、
『理想的な姿勢を憶えて、度々、意識を向けて、その姿勢を取るようにして欲しい』
なぜなら、理想的な姿勢は、大抵の場合に、
『その時に、働いて欲しい筋肉が働いているから』
もし、あなたが
『胸郭と骨盤の位置を適切に整えた姿勢で、動くことが出来ている』なら、
十二分な体幹の機能を手にしていることになるから。(動作は姿勢の連続です)
例えば、
前述した骨盤、腰椎を理想的な位置(③⑵⑶⑷参照)がとれると、インナーマッスルである多裂筋や内腹斜筋などが働きやすくなる。一方、④で説明した胸は張っているが骨盤が後に倒れた状態の姿勢だと、背骨から離れた脊柱起立筋の一部である腸肋筋が「過剰に働き」やすくなり、インナーマッスルは働きづらくなる。
理想的な姿勢をとることが出来たとしても、この話をしている私も含め、大方、3分もすれば、いつもの姿勢に戻ってしまうもの。
(もし、理想的な姿勢のままで長時間保持できるとしても、それはそれで、長時間、局所に負荷がかかり続けることは避けなければいけないので、姿勢を変える必要がある)
私自身も、人体解剖の写真を見ている時や読書時には、時間の経過とともに、人に見せられないほどの前かがみ姿勢でなっていることも度々あるし、ダラーっとソファーに腰掛けていることもある。
起きている時間、常に姿勢に意識を向けているわけではない。
起きている間、『常に理想的な姿勢でいなければならない』と思ったら、
それだけで、気が遠くなるし、できる気もしないから、してみる気も起こらない。
ただ、その分、毎朝の掃除をする時や本を読み始める前、コーヒーを淹れる時や電車を待つ時、歩いているときなど、『私にとって』半自動的に行える動作時や、都度、注意して姿勢を整えるようにしている。
(良くも悪くも、私は個別の筋力トレーニングはしていないし、運動量もかなり少ないが、筋肉量が同年代の平均以上であることは、1日の中で、何度も姿勢に意識を向けているからだと思う)
もし、あなたが自分の姿勢に向き合い、
あなたの姿勢のクセを理解して、
今、とれる最良の姿勢を1時間ないし2時間で憶えたとする。
1日の半分の12時間、1時間に1回3秒で姿勢を整えてたとしても、3秒×12回で36秒。
たった36秒。その2倍の数、意識しても、たったの72秒。
その結果、姿勢が少しずつ良くなって、筋機能の向上や筋バランスの是正がもたらされるなら、物凄く効率的だと私は思う。どうでしょう?
ましてや、今、トレーニングする時間をとっていたり、歩く時間や、あなたが半自動的に行える動作中に姿勢に意識を向けられるなら、より効果を上げることができる。
(あなたが自分好みの外見になりたくて筋トレをしている訳ではないのなら、姿勢を意識しない理由がないと私は思う(ここで言う姿勢の意味に議論の余地はある))
健康のために歩いている方なら、心肺能力や筋肉量の向上だけでなく、姿勢に意識を向けることで筋肉のバランスにもアプローチして痛みの予防ができるなら、一石二鳥、三鳥。。。
と言っても、何となく姿勢を整えるだけでは、効果は上がらない。
集中して意識を向け、適切な姿勢をとることが大切。
注意を向けて意識した場合に、前述した姿勢が既にとれない方もいらっしゃると思う。
(というよりも、理想的な姿勢が完全にとれる人の方が稀少だ)
その場合に、気合ではなく集中力で、少しずつ、1度ずつ、なんだったら0.1度ずつ、近づける気持ちで、理想的な姿勢に近づけよう。
ポイントは、ゆっくりと、丁寧に。
もし、あなたが、適切なかたちで、本気で取り組んだなら、
あなたの身体は必ず変わる。
注意
姿勢を整えて、鋭利な痛みが出現・増強する場合には、必ず、中止してください。
第一に、意識を向けたその姿勢が良い姿勢になっていない可能性と、第二に、あなたにとって良くない姿勢の可能性があります。
また、既に、痛みや症状がある場合には、適切な評価を受けることが大切です。
特に、下肢の感覚障害や急激な筋力の低下や脱力感、膀胱直腸障害、などがある場合には、必ず、病院を受診しましょう。
例えば、腰痛と言っても痛みの原因は様々であり、筋肉性、靭帯、仙腸関節、椎間関節、椎間板、神経根の絞扼、虚血、など、どこのレベルで、どの症状が出現しているかなどを、詳細に評価された上でアプローチしてもらうようにしてください。

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