座る姿勢を変えて健康な身体を作ろう④ 〜姿勢が良いと言われる人ほど、歳をとると姿勢が悪くなる？〜

座る姿勢を変えて健康な身体を作ろう④

姿勢を意識するときの注意点

『姿勢が良いと言われている人ほど、

　加齢によって、姿勢が悪くなる？？』

約6年前に、大阪から横浜へ引っ越してきた時に、私の街の印象は、

大阪に比べて、横浜では、

ご高齢の方々のふくらはぎが発達している方が多い気がすること（恐らく横浜は坂道が多いからではないかという予測）と、もう一つは、一見して、「姿勢を意識しているんだろうなあと思われる方」が多いなあと感じた。

私が以前に勤務していた病院では、脊椎脊髄外科専門の医師がいたため、腰や首の手術後の患者さんの理学療法（≒リハビリテーション）をよく担当させていただいた。

手術を受けるくらい酷い状態の方が、

「姿勢が良いって、周りからは言われてきたのになあ。。」

と仰られる方も少なくなかった。

私も、知識がなければ、「良い姿勢だと思います！」なーんてことを、心から言っていたと思う。

一般的に、姿勢が良いといわれているのは、外見上の雰囲気の問題で、

一見して、胸を張っていれば、姿勢が良いと思われているように感じる。

私が言う、『姿勢が良い』は、局所の組織に過負荷がかからずに、姿勢を変化させるだけの身体機能を備え、傷害を予防できる身体であることだ。

右の写真のように、骨盤が後に倒れて、あんなにも背中が丸まっている方は、70代でも、そう多くはない。

スマートフォンやパソコンを見る時間が増えて、姿勢が悪いことへの弊害が提起されるようになり、ご自身の姿勢に注意を向ける方も増加したように思う。

そうすると、その人なりに取り組んだ結果、『骨盤は後ろに倒れたまま、胸だけを張る方』が多いのだと思う。（スライドの中央写真を参照）

立っている姿で、わずかにでも、のけぞっている方（肩より骨盤が前方に位置している方）で、姿勢が良いと思っている方は、この傾向が強いだろう。こちらに来られる方も、街で見かける方でも、骨盤が後に倒れている方はすごく多い。（私が昨日、駅のホームでの電車待ちで見かけた13人中、11人が骨盤が後傾位だった。）

実際に、加齢に伴い、凄く腰が曲がった状態になるまでに、まずは、胸を張って骨盤が後ろに倒れ、その後に、胸を張ることも難しくなり、体が前に倒れ、それから膝が曲がり、腰も大きく曲がるという経過をとると言われている。（元々、胸椎が後弯傾向であったり、違うパターンもあります。）

姿勢を意識する時には、胸だけでなく、骨盤を起こすことから意識を始めてみよう。

続く。