座る姿勢を変えて健康な身体を作ろう⑤ 〜腰椎の弯曲は歳をとった時の活動レベルに関係がある〜
座る姿勢を変えて健康な身体を作ろう⑤
③の⑵⑶⑷では、骨盤の傾きの見方を3つの方法で、お伝えしてきた。
「骨盤ばっかりやん」と感じられるかもしれないが、
座位姿勢を意識する上で、土台となり、とても大切なことなので、
3つの方法のなかで、ご自身が、意識しやすいものを選んで、ぜひ試して欲しい。
(分かりにくい場合は、説明の再トライするので、ぜひご教示をお願いします)
なぜ、骨盤の傾きを意識して欲しいかと言うと、骨盤が後方に倒れ、腰が後ろに曲がると、
『日常生活の活動度や生活の質が下がる。』
と言われている。(50歳以上を対象とした戸川らの報告2015)
骨盤の傾きは腰の骨(腰椎ようつい)のカーブに強い相関関係を持っている。
腰が後ろに曲がり(前に凸のカーブが小さくなる)と、
これまた、運動機能と生活機能の低下に関係すると言われている。(岩谷ら2005)
座位で骨盤が倒れ、腰が後ろに曲がることは、「我が腰よ、痛くなれ」と言っているようなものとなる。(頻回かつ、長時間行うことで最も容易に椎間板ヘルニアになると言われている(McGill,2015))
60~70代では、20~30代に比べて、骨盤の前・後を合わせた傾きの可動範囲が、
有意に減少し、可動範囲が65%となる。(浅井 2018)
腰が、前にも後ろにも動かなくなるのだ。
実際、私が、臨床場面で遭遇する、腰痛や肩こりで来られる方や片麻痺の方は、
骨盤が後ろに倒れていて、腰の骨のカーブが小さくなり、
腰の骨と骨盤の動きがほとんどない状態になっているこ方が多く、
30代40代でも骨盤や腰の骨の動きの制限が顕著にみられる。
特に、骨盤が前に倒せない状態となっておられる。
いつまでも好きなことができる予防のために、
今より動けるようになるために、
痛みを改善させるために、
骨盤を起こそう。
続く。