潜在能力を引き出す 車椅子座位〜seating〜の可能性
- hikarilaboratory
- 2017年10月17日
- 読了時間: 3分
出張でご自宅に伺い、初めてお会いした際に、
手で支えなければ倒れそうなほど、身体が右に傾いて座っておられた。
身体状況としては、座っていても、立てば尚更、転びそうな状態で(実際、よく転ばれていたそうで…)身体イメージが顕著に崩れ、45度程度、首や身体が相当に右に傾いておられた。
治療では感覚入力や脊椎のアライメント修正、筋緊張の調整などを行うが、
施術時間以外にどう過ごすかで、相当、治療効果が変わってくると思い、
適切な座位姿勢を保つために、クッションの導入を提案した。
ご本人の快諾と依頼を受けて、担当のケアマネージャーと連絡をとり、
介護保険により車椅子と指定のクッションのレンタルをお願いし、
早急に手配いただいた。(早急な対応、本当にありがたいです。)
手配くださったは良いが、ただ、クッションが置いてあるだけ。。
それじゃ良くならないです。。。
車椅子にクッションを置くだけでは不十分なので、
肘置きの高さと、クッションの中のボリューム、
バスタオルを丸めて右背面に置くことにより調整を行いました。
あと、座る度に5秒程度の運動を毎回行っていただくこともお伝えし実践していただいた。(凄く努力なされる方で毎回行ってくれていたそうです)
2週間経った頃、ご来店くださる移動中のタクシーの中でも、気付けば手で支えなくても座れるようになっていたと教えてくださった。
私が、この方にどうしても適切なクッションを導入したいと思ったのは、
適切な座位姿勢によって、機能回復の速度が圧倒的に変わってくると思ったから。
環境設定や、道具をどのように使用するか(姿勢制御も含めて)は本当に大事。
身体機能の障害や麻痺が重度であればあるほど、凄く凄く大切です。
私自身が車椅子のseatingについて認識が変わったのは、
3年前のseatingの研修会で、山崎先生に出会ってからです。
それまで、車椅子は、移動するための道具で、座位姿勢の調整は、
「治療した効果が落ちないよう、現在の能力が使えるように、
出来るだけ快適に良いポジションで座れるようセッティングするもの」
という認識でしたが、
「適切な車椅子座位は、潜在能力を引き出すことができるもの」
と衝撃とともに認識を変えてくれました。
その時の研修会では、脳性麻痺の方でほぼ寝たきりの方が、ご本人に合わせた車椅子に乗ることで、全身の筋緊張が調整され、ご自身の意思で全く動かせなかった手足が動かせるようになった経過などを動画や画像にて拝見いたしました。
ホントに衝撃的で、「下手なセラピストが関わるより、余程、身体機能が良くなる!」と興奮いたしました。
良いモノがあり、それを適切に使用することが出来たなら、
より一層、可能性は拡がります。
適切な車椅子座位の調整は、
身体機能の潜在能力を高める可能性がある という認識が
セラピストや、車椅子をただの移動の道具と思っている人、
長く座りたいのに座れない人に届けば良いな。
山崎泰広先生ご紹介( http://www.markyamazaki.com/profile/ )
山崎先生ご自身が、留学中の転落事故により脊髄を損傷され、車椅子生活となってから度重なる褥瘡(床ずれ)に苦しまれ、米国で褥瘡治療のために入院された。その際に、適切な車椅子seatingが姿勢改善による褥瘡の再発防止が可能であることを実感し、それ以後、日本国内にてseatingの優れた考え方と技術を普及される活動を行われています。
この度、導入したクッション J2クッション
http://www.accessint.co.jp/products/seating/index.html
山崎泰広先生が設立された福祉用具販売会社
株式会社アクセスインターナショナル
http://www.accessint.co.jp/seating/
用語の説明
褥瘡(床ずれ):寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうこと。
hikari整体サロン 050-3701-1313 hikari.laboratory@gmail.com http://hikarilaboratory.wix.com/hikari-salon https://ameblo.jp/hikari-laboratory/entry-12320155364.html